きっかけは知り合い(高校生)の文化祭の差し入れにカバヤの「ハローキティ いちごプレッツェル」を買ったところから始まる。
裏面にはこんな
ここで気になったのが左の「しゃぼんだま」という4コマ。
『せっかくつくった大きなしゃぼんだまがぶつかってわれちゃう!!』
『くっついてハートになった!』
いつもなら「シャボン玉がハートの形になるわけがない(ハートの形で留められるわけがない)」と一笑に付すところですが、「そういえばどうしてハート形になるわけがないんだろうか……。」と考えてしまった。正直、近所のお子様方に「どうしてシャボン玉はハートにならないの?」と聞かれてお子様方を納得させられるような解説ができるだろうか。いや、できない。
そういったわけで色々調べてみたのでまとめる。
1.そもそもなぜシャボン玉は球体になるのか
最初、私の予測では「おそらくシャボン玉の中の空気と、そのシャボン玉を取り囲む空気の圧が釣り合っている状態として、球体が一番望ましいから。」と考えました。
つまり表面張力ですね。
イメージとしてこんな感じ。
ハート形の場合はこんな風になるとイメージ。
ハートの輪郭を作る凸凹部分に、特別に圧がかかり続けないといけなくなるわけです。
シャボン玉の周りにこんな圧のかかりかたが起きるのでは、道を歩くだけでも切り傷に気をつける世界になりそうです。ハローキティの住むメルヘンとファンタジーの世界にふさわしくありません。
とりあえずそういった予測を立ててから調べてみた。
2.やっぱり表面張力
調べたところ、学術の世界でもシャボン玉についてかなり深く議論されているんですね。
・シャボン玉はなぜ丸いか — 曲面の変分問題と自然現象 —
九州大学公開講座 2011.7.30 – 7.31 小磯深幸 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所・教授)http://www.math.kyushu-u.ac.jp/Ext-Course/Open-Lect/zi_liao_files/koiso2011.pdf
・シャボン玉はなぜ丸い? 最適な形を探求する「微分幾何学」
シャボン玉について調べただけなのに、数学の話が……。
上の論文についてはサラっとしか読んでいませんが、下のコラムと合わせて読むと雰囲気がなんとなく掴めます。
球体になる理由は「表面張力が働いているから」で解決できましたが、上の論文でさらに「シャボン玉が球状であることの証明」として色々計算してくれています。
こうして読むと、球状であることの証明って難しいんですね……。
もっと読んでいくと、「シャボン玉膜に使われる表面張力エネルギーを最小にするために、同じ空気を囲む上で最小面積である球状がよい」ということが言えています。
なるほど、ハート形ですと凸凹表面によって球状よりもそのぶん表面積が大きくなり、エネルギー量が大きくなって形を保てにくい要因になるんですね。
3.じゃあどうして割れるんだろう
球体になる理由がわかったところで、割れる理由も気になりました。
調べたら3通りほど理由が考えられるそうです。
1.地球上には重力が働くため、シャボン液は上が薄く、下が厚い状態になる。
ある程度薄くなると形が留められなくなるため割れる。
動画もありました。これは1秒間を300倍に引き延ばすハイスピードウルトラカメラによって撮影したそうですが、確かに上の方から割れました。
空気に触れると硬くなる物質を混合させることで割れにくくすることは可能ですが、結局は重力に負けるからいずれは割れるんですね。納得。
「重力が関係するなら宇宙のような無重力空間ではどうなるんだろうな」と調べてみたところ、やっぱり研究されていました。
なるほどおもしろい。
2. 水分が蒸発して割れる。
まあわかります。
3.空気中の塵や埃にぶつかって、その衝撃で割れる。
そうだね。
4.やはり球状以外のシャボン玉は難しいのだろうか
これはワイヤーを用いて色々なシャボン玉を作ろうという話。
うーん。でもやはりワイヤーから外してしまうと、球状の形になってしまうんですね。
……え。
えええええ。
えええええええええええ。
27:32で四角いシャボン玉が作れている……。表面張力をたくみに利用しています。
調べたらシャボン玉世界ギネス記録保持者の人なんですね……http://www.geocities.jp/sugiyamasavon/
他にもこんなシャボン玉もありました。
調べてみるとかなり奥が深い。
5.まとめ
とりあえず頑張ればハート形のシャボン玉ができそうです。
ごめんねハローキティ。
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